広島東洋カープのサヨナラインフィールドフライ

本日の広島対巨人の試合で変なプレーが出たので,
中途半端な解説も交えて紹介してみる.

状況としては9回裏同点で1アウト満塁.
つまり1点入ればサヨナラという白熱した場面となる.
打席には先日満塁ホームランを放った小窪.

小窪は2球目を打ったものの,
打球はキャッチャーのやや前方への小フライ.
この時点で三塁塁審はインフィールドフライを宣告し,2アウト満塁.

ここで「インフィールドフライ」の復習.
ルールブックの文言としては以下のとおりらしい.
http://asaka-aba.net/2_40.html

「普通に守れば内野フライだよね」という打球に対して
打者走者を速攻でアウトにする,というルール.
こうしないと,わざと落球して2アウトを奪おうという
ハメ技が成立するからだ.

さて,プレーに戻ると,
打球は内野手がお見合いする形でフェアゾーンに1バウンドするも,
一塁手のフランシスコがすぐにカバー.
が,ここで妙なことが3つ発生する.

1つ目.三塁走者の野間がホームめがけて全力疾走したこと.
インフィールドフライが宣告された時点で打者走者はアウトになり,
塁上の全ての走者の進塁義務は解除されている.
つまり,野間は三塁に残っていて良いし,
ボールを持った野手が陣取るホームベースに突っ込んでいくのは
自殺行為以外の何ものでもない.

2つ目.フランシスコが野間を無視してホームベースを踏んだこと.
先述の通り,野間には進塁義務はない.
進塁義務がない走者をアウトにするにはタッチプレーが必要だ.
つまり,このフランシスコの行為は何の意味も無い.

3つ目.球審がフランシスコのベース踏みに対し,
かなり明確に「アウト」のジェスチャーをしたこと.
これまで散々述べてきたとおり,誰もアウトにはならない.

ともあれ,野間がアウトにならないままホームベースを踏み,
コーチ陣などの抗議の末に得点が認められ,
試合としてはカープのサヨナラ勝ちとなったが,
上記の不可思議現象に「何でこれは?」とネット界隈は騒然となった.

「野間やフランシスコがルールを理解してない」説もあったが,
(俺も一時期そう思っていた)
原因をリプレイなどで探ると,
どうやら主犯は球審にあったようだ.
より具体的に言うと,球審が,
三塁塁審のインフィールドフライの申告を完全に見落とし,
インフィールドフライのジェスチャーを示すのを怠った.

一塁手のフランシスコも,三塁走者の野間も,
基本的には自分の視線上にいる審判,つまり球審のジャッジを
メインの情報源とする.
その球審が,
「インフィールドフライでは無いですよ」
と言わんばかりに何のアクションも示さなかったため,
両名は上記の不可思議なプレーを取った,というわけ.

打球の滞空時間などを考えれば
普通にインフィールドフライの範疇の打球だったので,
三塁塁審の判定は極々常識的だし,
それを見落とした主審の怠慢と言わざるを得ないと思う.

一方,危うく野間がフォースアウトとして扱われそうになる中,
すぐさまアピールに向かった石井コーチはファインプレーだった.
誰がどう見てもアウトの場面で進塁を指示するなど,
三塁コーチャーとしての技量はまだまだ低いと言わざるを得ないが,
緒方監督同様,就任1年目として,生温く成長を見守っていきたい.


ちなみに,記録としては何故か「村田のエラー」らしい.