重力ピエロ 感想

重力ピエロ (新潮文庫)

重力ピエロ (新潮文庫)

この著者の作品は初めて読みました.
直木賞候補とのことで,タイトルだけは知っている人も多いはず.

遺伝子調査を専門とする会社に勤める主人公が,
独特の感性を持つ弟と,病気で入院中の父と共に,
連続放火犯の正体を追い求めるストーリー.

このように書くと推理物のように聞こえるかもしれないけれど,
犯人はかなり早い段階で
「ああ,こいつね」
と推察できるようになっている.
とはいえ,犯人探しはあくまで舞台装置に過ぎないので,
正直その点は大して問題じゃない.

その上でこの本のジャンルを強いて挙げるとすると,
うーん,いわゆるBL?
全編にわたり,主人公と弟の
仲睦まじい会話劇が繰り広げられている.

それだけなら「兄弟愛」と表現すべきところなんだろうけど,
どんなに重苦しい状況になっても,
どんなに衝撃の事実が分かったとしても
顔を合わせるたびにイチャイチャトークを繰り広げるこの兄弟には
一種の狂気すら感じた.

この兄弟に限らず,
登場人物が全員,どこかしらのネジが外れているので
読んでいてとても奇妙な印象を受ける.
これがこの作者の持ち味なのかどうかは
他の作品も読んでみないと,ちょっとわからない.


なお,ガチBLは読んだことないので,見当違いだったらすんません.