22年目の告白-私が殺人犯です- 感想

22年目の告白-私が殺人犯です- (講談社文庫)

22年目の告白-私が殺人犯です- (講談社文庫)

2017年6月に全国上映された映画のノベライズ版.
原作自体は韓国の映画だそうです.

弱小出版社の編集者である川北未南子は,
行き着けのバーで,美しい男性から突然声をかけられる.
曾根崎と名乗るその男から
「これを出版してくれる出版社を探している」
と渡された封筒に入っていたのは,
22年前の未解決連続殺人事件の,殺人犯目線の告白文であった.
その生々しい内容から,真犯人が書いたと確信した未南子は,
作者を紹介してくれるよう,曾根崎に依頼すると,
曾根崎は深い笑みを浮かべてこう言った.
「はじめまして,私が殺人犯です」

文の完成度に感嘆しつつ,倫理的に出版の是非を思い悩む未南子,
時効を盾に被害者一族の神経を逆なでする言動を繰り返す曾根崎,
被害者の関係者でもあり事件の担当刑事でもあった牧村,
この3名を中心に物語は進んでいく.

作中では曾根崎が自ら世間に顔を公表し,かつイケメンであったため,
女性を中心に大人気になるという展開を迎えるんだけど,
表現は極端とはいえ,現実でも残念ながらこうなる可能性は高いと思う.

全体としては,伏線をあからさまに張っているので,
大筋が大体読めてしまい,どんでん返しのインパクトは正直弱い.
映像だったらもう少し上手にカムフラージュできるのかもしれないが,
その辺はノベライズ版としての弱点だと思う.

あと,文章が全体的にくどい.
「そういう文章は二流だ」みたいなことを未南子が述べるわけだが,
この作品にも多少なりそれが当てはまっているのが皮肉ではある.


映画はもしかしたら面白いのかもしれないけれど,
この小説自体はあまりオススメできないという感想.