利用時の品質を表計算ソフト(Excel)に例えてみる3

これの続き.
利用時の品質を表計算ソフト(Excel)に例えてみる2 - NK5のノート

「有効性」「効率性」そして「満足性」について勉強したので,
最後の2つをここで整理してみる.

■リスク回避性
定義は以下のとおり.

製品又はシステムが,経済状況,人間の生活又は環境に対する潜在的なリスクを緩和する度合い。
注記 リスクは,所与の脅威の発生確率と,その脅威の発生によって起きる悪影響の可能性との関数である。

「リスク」という言葉は,時と場合と相手によって意味が変わるので
結構危険な単語だと個人的に思っているなけど,
ここでは,発生確率によって重みづけされた悪影響の度合いとされている.
満足性と同様,これも3つの副特性から成る.

(1) 経済リスク緩和性
定義は以下のとおり.

意図した利用状況において,財政状況,効率的運用操作,商業資産,評判又は他の資源に対する潜在的なリスクを,製品又はシステムが緩和する度合い。

経済的なダメージ全般のリスクをターゲットにしているので,
セキュリティ関連は基本的にここに入ることになると思う.
Excelでは正直立てづらいけど,例えば,異常終了時のデータ復元機能が,
ここで言う「効率的運用操作に対する潜在的なリスク」に該当する,かな.

(2) 健康・安全リスク緩和性
定義は以下のとおり.

意図した利用状況において,製品又はシステムが人々に対する潜在的なリスクを緩和する度合い。

いわゆるミッションクリティカルなシステムにおいて
この特性が担うものは大きい.
自動車を一種のシステムと捉えるのなら,ATSなんかもこれに該当するはず.
Excelでは……うーん,ちょっと思いつかない.

(3) 環境リスク緩和性
定義は以下のとおり.

意図した利用状況において,環境に対する潜在的なリスクを製品又はシステムが軽減する度合い。

資源の無駄遣いや無暗な汚染を回避する度合い……ということかな.
スマホの省エネモードなんかは,これの一種になると思う.
やはりExcelではちょっと例えづらいところがある.

■利用状況網羅性
定義は以下のとおり.

明示された利用状況及び当初明確に識別されていた状況を超越した状況の両方の状況において,有効性,効率性,リスク回避性及び満足性を伴って製品又はシステムが使用できる度合い。

これまでに述べてきた4つの品質特性が,
あらゆる状況下においても十分に発揮されるか,という特性になる.
たぶん,定義内のとんでもない文言に目が奪われたはずだけど,
敢えてここでは触れずに,2つの副特性の話に入る.

(1) 利用状況完全性
定義は以下のとおり.

明示された全ての利用状況において,有効性,効率性,リスク回避性及び満足性を伴って製品又はシステムが使用できる度合い。

これは理解できる.
要は「動作保証環境」における利用時の品質の保証状態を指しているわけだ.
Excelの正確な動作保証環境に関する情報はよく知らないが,
例えば,Windows7とWindows10の間で利用時品質に大きな欠落が生じなければ
利用状況完全性が高い,と言える.
問題は次だ.

(2) 柔軟性
定義は以下のとおり.

要求事項の中で初めに明示された状況を逸脱した状況において,有効性,効率性,リスク回避性及び満足性を伴って製品又はシステムが使用できる度合い。

冒頭でも敢えてスルーしたけれど,
要するに,想定外の状況における利用時品質を語っている.
「いや,そんなの知らんよ」
と言いたくなるが,まあ例えばそういうときに
「これこれこういう風にすれば,使えるようになりますよ」
というメッセージを出してくれるか,
それとも問答無用で異常終了するかでは
満足性にそこそこ差が出るんじゃないかな.
そういうシステムは,柔軟性が高い,ということになる.

以上.
間違いがあったら申し訳ないけれど,
まあ,そこまで大外しはしていないんじゃないかな.


今更ながらExcelは題材としてあまり適切ではなかった気がする.