2019年の広島東洋カープの総括

70勝70敗3分の4位,3連覇からのBクラス転落.
ともあれ,まずは選手の皆さん,お疲れさまでした.

全体として語ると,とにかく調子の良し悪しのムラが激しかった.
前年が丸と鈴木の両翼で辛うじて成立していた打線だっただけに,
そのうちの1名の離脱のダメージがモロに出たという印象.

総括に入る前に,
2019年を語るうえで以下の3つの問題は避けて通れないと思うので,
それぞれについて述べておく.

まずは緒方の平手打ち問題.
これについては,当事者のクビという決着に至ったので,
そこまで深く掘り下げる気はない.
叩いたこと自体より,それが表に出たという点に,
緒方の求心力が既に地に落ちていたんだろう.

続けて田中のフルイニング問題.
悲惨極まりない成績を出しながら,連続フルイニング記録を理由に
交代させず,自動アウトとして他球団の勝利に貢献し続けた.
連続フルイニングとは,結果を出し続ける過程で
副次的に生み出されるものでなくてはならない.
結局,膝の故障の発表,続けて手術によるリタイアという結末となった.
記録達成からの金稼ぎを優先したフロント,
そのフロントからの指示に従ったと推察される監督コーチ,
そして記録を優先し続けてチームに迷惑をかけ続けた田中.
これら全員の責任だと思っている.
緒方は解任となり,東出も2軍コーチに格下げとなった.
田中にも上限に近い減俸を言い渡してほしい.

そして最後,バティスタのドーピング問題.
NPBのドーピングの歴史において,
これほどの実績の選手がやらかしたのは,
明確な理由があったガトームソンや井端を除くと,たぶん初.
故に,球団としての誠意ある対応が求められているのだが……
何もかもが露骨に
「処分明けまで待てばええんやろ?」
と言わんばかりのダンマリ対応.
佐々岡新監督も某雑誌で残留を宣言する始末だ.
おそらく,もうじき発表される保留者選手名簿にも
しれっとバティスタの名前が刻まれていることだろう.
これでは賭博をやらかした高木を再雇用した巨人と変わらない.

NPBの処分は,これも議論&批判されているが,
オフシーズンもカウントされるという欠陥ルールなので,
何の罰則にもなっていない.
バティスタをどうしても残したいというのなら,
育成枠からの出直しと,球団の自費による不定期検査の実施.
この2つは最低限やるべきだ.


というわけで,今シーズンはチームとしての体質に
たびたび疑問を呈さざるをえないシーズンだった.
来年からは,ねじを巻き直して欲しかったのだが……
なんだこのスローガン,舐めてんのか.
球団としての危機感のなさに呆れかえるばかりだ.


と,長々と書いたところで,ようやくシーズン自体の総括.

まずは先発.
昨年末からファームで頭角を現しつつあった床田と,
先発転向のアドゥワ.
この2名は,頑張ってくれたと思う.
床田に至っては手術明けにも関わらず,期待以上だった.
が,その後があまりに続かなさ過ぎた.
遠藤や山口が期待されているとのことだが,
今年の投球内容を見る限り,いきなりの定着は難しいと思う.

続けてリリーフ.
3連覇の象徴の1つである中崎がクローザーの地位剥奪.
フランスアがクローザーとして機能しなかったこともあり,
ブルペンは終始自転車操業だった.
そんな中で,中村恭平と菊池保則の躍進は予想外だった.
中村についてはぶっちゃけクビ候補だったわけだし,
菊池保則も,せいぜい福井と同レベルくらいの予想だった.
この2名が来年も活躍できるかどうかで,ブルペン事情が大きく変わる.

野手は結局,鈴木のワンマンチームと化したという印象.
かつて栗原が1人でチームを率いていた時代を彷彿とさせるが,
もちろんこのままではダメ.
西川は外野への転向初年度から結果を出してくれたが,
正直これでも「最低限」という感想だ.
もっと出来るはずだし,もっとやってくれないと困る.
なんかサード再挑戦なんて声も聞こえるが,無駄なので止めて欲しい.
内野に目を向けると,
ショート田中が自爆,セカンド菊池もポスティング容認となったので,
来年は二遊間の再建が1つの大きなテーマとなる.
候補はそれぞれいるものの,決定打がないというのが現状.
春のキャンプで誰かが台頭してくれると良いのだが.

阪神の奇跡的な快進撃があったとはいえ,Bクラス転落は事実.
来年に向けて由宇に即戦力が揃っているとも言い難い.
(3~4年後が楽しみな子は多いが)
佐々岡新監督には,申し訳ないが,
種まき役として犠牲になる覚悟でタクトを振ってもらいたい.
チームとしての再建のタイムリミットは「鈴木のFA権取得」なのだが,
ポスティングを希望により,リミットが短縮される可能性もある.
困難だらけではあるが,頑張ってもらいたいところ.